「忘災」の原発列島

「忘災」の原発列島はシリーズで続くようだ。    2014年6月27日更新
その内容を追いながら、今日の科学的思考なるものを見える化してみよう。
  1. 「夢物語」の避難計画 現実、逃げられない
    佐田岬半島を貫く国道197号。この道の北(右)には伊方原発があり、道の先は西端、三崎港へ続く。避難時には重要な「命の道」だ=愛媛県伊方町で...2014年05月26日15時24分

    ●「避難計画ができたって言われたって、どうせ使えんよ。ここらあたりじゃみんなそう言っとるけん。事故が起きたら終わりだってね」。最後は、吐き捨てるように声が大きくなった。
    ●最大で約5200人がここから大分県などに避難する。しかし犬を連れて散歩中の女性(63)はこの計画を「それこそ夢物語でしょ」と切り捨てた。
    ●「目の前を他人が避難していくのに、自分は避難せずに屋内にとどまれと。それができますか」と問われた。答えられなかった。
    ●原発からの避難時間を研究する民間団体「環境経済研究所」の上岡直見代表は「原発は国策と言えるが、避難計画は自治体が策定することになっている。自治体は『逃げられない』と思っても言えないので、数字合わせで逃げられるストーリーを言わざるをえないのではないか」と指摘する。
  2. 安全協定、かやの外 周辺自治体「差別だ」
    本社ヘリから撮影した島根原発(手前)。奥は松江市中心部と宍道湖。写真の外側、右方向には出雲市、左方向には安来市、宍道湖の...2014年05月27日15時04分

    ●「自治体の存亡が関わる問題なのに、安全協定を結んでいないので中国電力に直接意見を言えない。そんなことが民主主義の世に許されるのですか」
    ●「原発の規制権限は国が独占していますが、実質的には安全協定によって自治体も原発に関与してきました」
    ●島根原発について中国電力は、松江市、島根県と安全協定を結んでいるが、30キロ圏内の出雲、雲南、安来とは締結していない。
    ●「国はUPZを設定しただけで知らん顔していていいのか」
    ●「原発について口を出す自治体が少ない方が電力会社、国にとって都合が良いからでしょう」
    ●脱原発は周辺自治体が鍵を握っている
  3. 「世界一の規制基準」新たな安全神話に
    「多重防護に欠陥」専門家ら疑問の声  安全神話が重大事故を招く−−これが東京電力福島第1原発事故の教訓だろう。安倍晋三政...2014年05月28日15時03分

    ●安倍晋三政権は「世界で最も厳しい水準」をクリアした原発から「再稼働させる」と明言している。
    ●世界一はインチキなんだよ
    ●「世界最高水準になるように策定したから世界最高水準だと同義反復しているだけだ」と批判する。
    ●「世界にも類をみない欠陥基準だ」
    ●第4層(過酷事故の拡大防止)、第5層(放射性物質の放出の影響緩和)の取り組みはされてこなかった。新基準でも、第5層に含まれる住民避難計画は、災害対策基本法で自治体にまかされており、規制委の審査対象外だ。
    ●新潟県は同法に基づき、規制委に第5層の住民防護策などについての質問を出したが、きちんとした回答は返ってきていない。
    ●新潟県は同法に基づき、規制委に第5層の住民防護策などについての質問を出したが、きちんとした回答は返ってきていない。
  4. 火山対策、予知頼みの無謀
    九州電力川内原子力発電所(左から)1号機と2号機=鹿児島県薩摩川内市で2014年3月15日、本社ヘリから加古信志撮影 九州電力がモニタリ...2014年06月26日15時08分

    ●巨大噴火による陥没地形「カルデラ」の集中帯だ。
    ●錦江湾の地下にマグマがたまっているというのは火山学者の常識。
    ●「日本ではカルデラ噴火どころか、1707年の富士山、1914年の桜島、1929年の北海道駒ケ岳の後は大きな噴火は起きていません。原発が日本に導入されたのは1950年代なので、真剣に考慮されることはなかったのです」
    ●「施設から火山灰を取り除く対策は工学的には正しい。しかし火山灰が数センチ積もれば車が動かなくなります。灰が降り積もる中で、除灰する人の確保や物資の運搬をどうするのか」
    ●規制庁は『前兆はつかめる』という点に救いを見いだしたのでしょう。いくら時期も規模も分からないと繰り返しても『モニタリング(監視)さえすれば大丈夫』との姿勢を崩さなかった」
    ●中田教授が「安全に核燃料を運搬するために数年前に噴火の予兆を把握することなど無理だし、保管場所も決まっていない。詰めるべき点はたくさんある」と批判するように、机上の空論なのだ。
    ●火砕流などが原発に到達しないことを学問的に厳密に詰めなくても、モニタリングに頼って審査を通そうというガイドになってしまった。原発を動かしたい人の習性が反映された内容
    ●噴火で原発に被害が出れば責任は火山学者に押し付けられるだろう。東日本大震災で地震学者の責任が追及されたのと同じ構図になるかもしれない
    ●川内原発はあの場所に造るべきではなかった。今も不安材料があるのだから、再稼働には慎重になるべきだ。どうしても動かしたいなら、政府は核燃料の搬出先の確保など安全対策に積極的に関与しなければ。モニタリングを重視するなら火山研究者を増やしたり、財政的な支援をしたりしなければならない。そこまで政府は腹をくくっていますか?
  5. 「指定廃棄物」最終処分場候補地、宮城県加美町ルポ は、「東京電力福島第1原発事故で出た放射性物質を含む「指定廃棄物」の最終処分場建設問題で、候補地の一つに指定された宮城県加美町(かみまち)を歩いた。そこには国への不信感が渦巻いていた。」という。
    指定廃棄物の最終処分場 宮城県、国の調査容認によれば、
    ・県内候補地の栗原市、加美町、大和町で、
    ・加美町は調査実施に反対し、他の2市町は調査を受け入れるが、建設には反対している。
    ・国は宮城、茨城、栃木、群馬、千葉の5県で指定廃棄物の最終処分場を建設する方針
    加美町・放射性廃棄物最終処分場建設に断固反対する会を結成している。
    指定廃棄物最終処分場候補地選定について - 加美町でその経緯を知ることができる。
    KHB東日本放送が実施した「指定廃棄物最終処分場に関するアンケート 結果概要」
    <自分の住む町への建設>には、反対が、栗原(62%) 大和(53%) 加美(85%)で、<反対の理由>は「安全な施設か分からない」(60%) 「放射能被害が出る」(57%) 「風評被害が出る」(56%)となっている。また<国の姿勢の評価>「評価する」(27%) 「評価しない」(72%)であった。
  6. 揺らぐ「低コスト」神話 国が電力会社支援「価格保証」案は、「原発の電気は安い」とアピールしてきたのは誰だった?と疑問を投げかける。

    原発の電気価格保証 自由化に備え経産省が支援案が示すことは
    ・基準価格には、使用済みの核燃料の処理や廃炉など原発を動かした後に発生するコストも含める。
    ・売電価格を固定することで電力会社の収入は保証できる。
    ・新設した原発による電気の発電コストは1キロワット時あたり8.9円以上で、石炭やLNG火力の10円台に比べて一定の優位性がある。
    ・原発の安全投資にかかるコストは上がった。電力9社の安全投資は計2.2兆円超になり、さらに膨らみそう。試算は廃炉費用も含むが、実際の廃炉コストはさらにかさむ。
    ・電力会社の収入を保証しないと、費用を回収できず、原発を新増設できない懸念がある。
    ・支援策を具体化するには、原発を将来どれくらい活用するかを決める必要がありそうだ。
  7. 露骨な優遇、国の「回帰」鮮明 は、
    「原発回帰」を進める政府の姿勢は、経済産業省の原子力小委員会が昨年12月に政策の方向性を示した「中間整理」に見て取れるという。
    原子力政策:経産省中間整理案 建て替え言及、玉虫色 「原発廃炉に見合う供給能力」 - 毎日新聞は、その「中間整理」案について、
    ・中間整理案に、原発の建て替えが検討課題として盛り込まれた。
    ・中間整理案は、電力の安定供給や温室効果ガス排出量削減のために「原発が果たす役割は非常に大きい」と位置付けた。
    ・原子力小委では「30年、40年に原発を続けるには地元理解が必要。新増設や建て替えの将来像を示すことが重要」などの意見が相次いだため、経産省は原発建て替えを示唆する表現を盛り込むことにした。という。玉虫色の表現になったのである。
  8. 「原子力比率22%」の本音、ごまかしだらけの電源構成 - 毎日新聞で、東京理科大学 橘川武郎氏は「安全神話にすがる政と官 運転期間「40年ルール」どこへ」と題し、次にように語る。
    ●電源比率は▽液化天然ガス(LNG)火力27%▽石炭火力26%▽再生エネ(水力、風力、太陽光など)22〜24%▽原子力20〜22%▽石油火力3%。東日本大震災前は原発30%弱、再生エネ10%弱だったことを考えれば問題はなさそうだが……。
    ●「まず再生エネの目標比率があまりに低い。先進国のレベルじゃない」と政府のごまかしを指摘する。
    ●「環境後進国」のイメージで語られがちな中国でさえ、5月までに国家機関が「30年に全電源の53%で導入可能」との報告書をまとめている。実は中国は再生エネ大国で、風力は発電量世界1位、太陽光は3位だ。
    ●一方、日本は、風力はわずか1・7%程度で『もうこれ以上やるな』と言わんばかり」と憤る。この結果、金融機関が再生エネによる発電事業を計画する企業への融資を取りやめる事態も起きている、という。
    ●しかも、原発比率20〜22%という数字は、震災後に改正された原子炉等規制法で原則「40年」と定めた運転期間を無視しなければ実現できないものだという。
    ●「30年時点で運転できるのは18基。さらに建設中の2基を加えても、発電比率は15%程度にしかならない計算になる。」とすれば、安倍政権は、原発比率を決めたのと同時に、「60年ルール」を原則にすると公言しているようなものだ。これで本当に安全は保てるのか。
  9. 国が避難指定解除→支援打ち切り 「20ミリシーベルトは安全」の非情 - 毎日新聞
    ●国は2011年11月までに局所的に放射線量が年間20ミリシーベルトを超す場所を特定避難勧奨地点に指定。昨年12月に基準を下回ったとして福島県南相馬市の指定を解除し、支援を打ち切ったが、住民808人は「安全だ」と繰り返す国を相手取り、解除取り消しなどを求める集団訴訟を東京地裁に起こした。
    ●年間20ミリシーベルトという値は、原発など放射線管理区域で働く作業員と同じ制限基準になる。そこでは防護服に身を固め、飲食や喫煙、滞在時間までも制限される。
    ●「放射性物質を含んだ雲は海からの風で北西に流れて山間部を汚染しました」。原発事故から4年。除染作業は進められてきたが、「山を汚染した放射性物質が西風に乗って飛んできます。国は安全と言いますが、放射性物質が集積されやすい雨どいの下などは依然として線量が高い」。
    ●それなのに田畑などを含めた生活環境全体を測定していないのはおかしい」。測定器を山の方角に向けただけで数値が1・5倍に上昇した場所もあった。「指定前、私も国の測定に付いて回りました。その様子を見ると、玄関と庭先しか測定せず、測定する時も数値の低い値の方角を探しているようでした」。言葉に怒りがこもる。
    ●「指定が解除されたからといって自宅に帰れない。地区から離れた若い人には帰ってきてほしいと思うけど、(線量が)高い所があるのに、酷だよね」とつぶやく。
    ●指定解除については「20年の東京五輪開催までに福島は落ち着いたと世界にアピールしたいからではないか」と国への不信感を漏らした。
    「いずれ20ミリシーベルトの基準で避難指示を受けた地域が次々と解除されると、必ず問題になる」と訴えた。
    ●「いずれ20ミリシーベルトの基準で避難指示を受けた地域が次々と解除されると、必ず問題になる」と訴えた。
    ●除染した土を集めた保管場所、復興工事のため粉じんをあげて走る大型ダンプの列、カーテンが閉められ人けのない民家……。南相馬で目にした現状だ。原発事故はいまだに収束していない。
    参照:放射能と放射線
  10. 本当に再稼働でいいのか - 毎日新聞
よく考えてみよう!!!

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